大道芸で培った、シアトリカルな悲喜劇を唄う寓話ソングを散りばめたアルバム!ここに誕生。往年のキャバレーソングや往年のポップスソングを現代風に構築したバンド!「COCKNEY REBEL(コックニー・レベル)」 決してギターギンギンのロックンロールバンドではなかった・・・。
COCKNEY REBEL「THE HUMAN MENAGERIE」(1973年)
こんな方におススメ
- 大道芸の奏でる音楽って素敵だと思う方
- モダンな感じのする70年代の音楽に興味がある方
- グラム衰退期にデビューしたモダン系の第二世代に興味がある方
- グリッターロックは苦手だが、グラムっぽい当時の雰囲気が好きな方
- ブリティッシュロック/ポップスの淡い誘惑に魅かれる方
視聴コーナー :COCKNEY REBEL「THE HUMAN MENAGERIE」
PLAYボタンを押して、視聴しながら、続きをお読みいただけると幸いです。
COCKNEY REBEL(コックニー・レベル)について
COCKNEY REBEL(コックニー・レベル)の中心人物である、Steve Harley(スティーヴ・ハーレー)は1960年代後半に大道芸にて音楽を奏でていたところからスタートする。
そして、1972年になると大道芸にて一緒にフォークを演っていたJohn‐Paul Crocker(ジョン・ポール・クロッカー)とともにCOCKNEY REBEL(コックニー・レベル)という名前のバンドを結成することとなる。
他のメンバーはオーディションで選ばれ、デビュー時のメンバーが揃うこととなる。
楽曲は大道芸で演奏していた曲も含めバンドとしてのお披露目は数回程でEMIと契約することが出来た。
1973年にレコーディングを終え、
1973年、1stアルバム「THE HUMAN MENAGERIE」発売
日本では1974年に発売されました(邦題:美しき野獣の群れ)
当時、ブリティッシュミュージックシーンはグラムロックの全盛期を超え、少しずつ衰退していくような時期であったが、COCKNEY REBEL(コックニー・レベル)も遅れて出て来たグラム一派として区分されることも多い。
まぁ、ヴィジュアル的にはそう区分されるだろうし、音楽的にはグリッター要素は全くないけど、シアトリカル的だったり、モダンミュージック的だったり、ちょっと変わっていたので、そうなるかな!?と思います。
音源的な話に戻りますが、
1stシングル「SEBASTIAN」はそれほど注目を浴びなかったが、アルバムは絶賛された。
2ndシングル「Judy Teen」がヒット!
そんな最中、Steve Harley(スティーヴ・ハーレー)と他のメンバーとの確執が徐々に表れ始めることとなる。
1974年、2ndアルバム「The Psychomodo」発売
このアルバムはバンドの冒険的で挑戦的なアルバムとして評価され、
3rdシングルとしてアルバムからカットされた「Mr. Soft」は大ヒット(全英8位)となった。
しかし、、メンバー間の確執は頂点に達したのだろう。
このアルバムにおけるUKツアーが終わった後に、ドラムのStuart Elliott(スチュワート・エリオット)を除くメンバーが脱退。
それ以降、COCKNEY REBEL(コックニー・レベル)というバンド名は名ばかりのものとなり、Steve Harley(スティーヴ・ハーレー)のソロ・プロジェクトと化していく。
1975年、3rdアルバムとして「The Best Years of Our Lives」を発表するもアーティストクレジットは “STEVE HARLEY and COCKNEY REBEL”となっていく。
このアルバム前に先行シングルとして「Make Me Smile(Come Up and See Me)」は全英1位を獲得する大ヒットとなった。
後に、Steve Harley(スティーヴ・ハーレー)はこの曲の歌詞は、自分を見捨てた昔のメンバーへの報復を唄ったものだと語っている。
続く、シングルはアルバムからのシングルカットとして、「Mr. Raffles(Man、It Was Mean)」もヒット!
その後も、“STEVE HARLEY and COCKNEY REBEL”名義でアルバムを発表していくが・・
1976年、「Timeless Flight」発売
1976年、「Love’s A Prima Donna 」発売
1977年、「Face To Face – A Live Recording 」発売
年々、チャートインするも、とうとう、COCKNEY REBEL の名を捨てて、
完全なるソロ名義、STEVE HARLEYとしてアルバムを発表していくこととなる。
1978年、「Hobo With A Grin」
1979年、「The Candidate」
1992年、「Yes You Can」
1996年、「Poetic Justice」
しかし、2005年に”STEVE HARLEY and COCKNEY REBEL”名義復活!
2005年、「The Quality of Mercy」発表
2013年、「Birmingham (Live with Orchestra & Choir)」発表
2020年、「Uncovered」Steve Harley名義でリリース
STEVE HARLEY は2024年3月17日に自宅で死去。
COCKNEY REBEL(コックニー・レベル) デビュー時のメンバー
Vo:Steve Harley(スティーヴ・ハーレー)
Vi&Ma&G: John‐Paul Crocker(ジョン・ポール・クロッカー)
Ba:Paul Jeffreys(ポール・ジェフリーズ)
Key:Milton Reame-James(ミルトン・リーム・ジェームズ )
Ds:Stuart Elliott(スチュワート・エリオット)
COCKNEY REBEL(コックニー・レベル)の音楽性
元々大道芸で演奏していたこともあり、どこかコミカルな面も持ち合わせている。
しかし、明るいというわけでもない。むしろ薄暗いが明るいが明るい場所!?が似合う。
Steve Harley(スティーヴ・ハーレー)は、決して張り上げるような唄い方をするタイプではないが、どこかシアトリカルな感じも大道芸からの影響だろうか!?
シアトリカルな悲喜劇を唄う寓話ソングを散りばめた感じで、俗にいう、往年のキャバレーソングや往年のポップスソングを当時の現代風に少し捻くれた再構築したような楽曲が多い。
TOMOZY のアルバム「THE HUMAN MENAGERIE」評価
収録曲へのコメント
01. HIDEA WAY
綺麗な旋律のイントロで始まります。Steve Harley(スティーヴ・ハーレー)の唄声が少しばかり危なっかしいけど、それが楽曲を少しばかりダークサイドへ持っていきます。バックサウンドは明るい感じなのに、歌が入ると暗くも感じる独特な曲です。
02. WHAT RUTHY SAID
明るいノリの曲。少し楽しくなるのは気のせいではないだろう。それとね、この曲聴いていると初期のTHE YELLOW MONKEYを思い出すんですよね~。
03. LORETTA’S TALE
ソフトに歌い上げるSteve Harley(スティーヴ・ハーレー)のヴォーカルが冴える1曲。気分は夢の中・・・。
04. CRAZY RAVER
ノリの良い、ロックンロールなんだけど、ヴァイオリンでの演奏で聴くと、こうも違って聴こえるんだね。でもカントリーソングといえば、カントリーかもね。
田舎のバーで生演奏されていそうな楽曲かな。
05. SEBASTIAN
シングルにもなった楽曲。非常に悲しい楽曲に仕上がっています。曲が進むにつれ、盛大なオーケストラサウンドになって、、そして静かになって・・・Steve Harley(スティーヴ・ハーレー)の唱も呪文じみたものに変わっていく、シアトリカルな楽曲です。
06. MIRROR FREAK
哀愁を感じる楽曲。右のスピーカーから聴こえるSteve Harley(スティーヴ・ハーレー)のヴォーカル、そしてセンターに位置を変える。実験的な楽曲。
07. MY ONLY LOVE
左のスピーカーから聴こえるヴァイオリンが気分を盛り上げる。ちょっとした昼下がりに似合いそうです。
08. MURIEL THE ACTOR
明るい感じの楽曲。メロディはポップではあるが、どこか滑稽で・・昼下がりに聴いても気持ちいいでしょう。
09. CHAMELEON
静かな楽曲で・・・盛大に盛り上がるのか!?と思いきやすぐに終わってしまう曲
10. DEATH TRIP
こちらも少し変わった曲。寓話の世界にようこそ! とでも言われているような曲です。繰り返される楽器隊のフレーズが頭から離れません! 曲が進行するにつれ盛大に・・・余韻が残る楽曲です。オリジナルアルバムのラストはこの曲です。
以下 1990年CD化された際のボーナストラック
アルバム未収録シングル「JUDY TEEN」と「SEBASTIAN」の B 面「ROCK AND ROLL PARADE」の2曲
11. JUDY TEEN ※(日本盤ボーナストラック)
ボーナストラックの曲ですが、シングルカットされた曲。ポップでありがら、どこか滑稽な音色のサウンドは一種のグラムロックの要素あり!
12. ROCK AND ROLL PARADE ※(日本盤ボーナストラック)
鍵盤楽器をベースにした洒落た感じのある、ノリの良いロックンロール。
でもどこか滑稽に聴こえるのはSteve Harley(スティーヴ・ハーレー)の歌唱のせいでしょうか?
映像で楽しむ COCKNEY REBEL(Steve Harley)
残念ながら、アルバム「THE HUMAN MENAGERIE」収録曲で公式サイトの動画を集めることが出来ませんでした。
とは言え、COCKNEY REBEL、Steve Harley の映像は載せておきたいので、別アルバムからやソロ作品からいくつか新旧混ぜてお届けいたします!
COCKNEY REBEL「Mr Soft 」 TopPop
COCKNEY REBELの2ndアルバム「The Psychomodo」収録曲でTOPPOPからの映像です
STEVE HARLEY and COCKNEY REBEL「Make Me Smile (Come Up and See Me)」
STEVE HARLEY and COCKNEY REBEL 名義最初のシングルで1975年にリリースされた楽曲です!
Chrysalis Records 公式 :「Make Me Smile (Come Up and See Me)」Official Music Video
TopPop 出演時の「Make Me Smile (Come Up and See Me)」映像
おまけ:2013年に開催された Rewind Festival 2013, on Festivo からの映像3曲
Make Me Smile | Rewind 2013 | Festivo
Judy Teen | Isle Of Wight 2013 | Festivo
ここでやっと今回紹介したアルバム「THE HUMAN MENAGERIE」の日本国内盤ボーナストラックだった楽曲が登場です!
Here Comes The Sun | Rewind 2013 | Festivo
Beatlesのカバーですね。 STEVE HARLEY & COCKNEY REBEL名義で1976年にリリースされました。
あとがき
COCKNEY REBELというか、STEVE HARLEYというか、この関連のアルバムは数枚しか持っていませんが、聴いていないアルバムも聴いてみたいアーティストのひとりですね。
TOMOZY(トモジー)のアルバムにまつわる個人的な想い出
たしか社会人になってから、この「THE HUMAN MENAGERIE(美しき野獣の群れ)」は聴いたんだと思います。
当時、自遊になるお金はほとんど、CD買ってましたから、、そう所謂大人買い。
月に一度、朝から晩まで、CDショップや中古屋さんやら専門店を巡る大人買いの日。
そんな時、お目当てのもの以外に、存在は知っている程度のモノも買いました!
このアルバムも「存在」はしっている程度の知識しかなかったけど、購入してみたら・・・。
結構、カッコEじゃん! って思ったバンド! でしたよ。
アルバム全体の雰囲気というか、曲のバランスというか、なぜか、日本のバンド”THE YELLOW MONKEY”の初期のアルバムの雰囲気に近いというか、不思議な魅力を持ったバンドだと感じたのを憶えています…。
そう、1990年代前半の大人買い時期の衝撃的な出会いのバンドの一つがCOCKNEY REBELでした。
COCKNEY REBEL(STEVE HARLEY) 商品関連
今回は・・・COCKNEY REBEL「THE HUMAN MENAGERIE」(1973年)アルバム・レビューでした
またねーーー。
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