80年代半ばに現れた毒々しさ満点のロックンロールバンド! とにかく雰囲気重視のロックンロールをまき散らし、ものすごい早さでメジャーと契約したバンドの記念すべき1stアルバムここの誕生。
FASTER PUSSYCAT『FASTER PUSSYCAT』(1987年)
こんな方におススメ
- ストレートなハードロックンロールバンドが好きな方
- 退廃的な香りを漂わせるスリージーなロックバンドが好きな方
- ルックス先行で、音楽聴かずに毛嫌いしてしまった方
- 毒々しいノリのロックンロールバンドが大好物な方
- 雰囲気重視のロックンロール初期衝動的アルバムが好みの方
FASTER PUSSYCAT(ファスタープッシーキャット)について
80年代半ばにメジャーデビューするバンドはアプローチがメタル勢とは異なるバンドが多くいる、Guns N’ Roses(ガンズ・アンド・ローゼス)、JETBOY(ジェットボーイ)のように・・・。そして、今回紹介するFASTER PUSSYCAT(ファスター・プッシーキャット)も同様に攻撃的なロックンロールを奏でるバンドです。
とは言っても、
ロサンゼルスを中心に起こった、LAメタル(これは日本だけの呼び方)というかHAIR METALと呼ばれるムーブメント(アメリカではこれが呼び方で、決してロサンゼルスだけに拘らない)の中に含まれるみたいですけど。。。
まぁ、AC/DCも大きな括りでハードロック/ヘヴィメタルの中で語られることがありますので、そのような感じかと・・。
で、今回紹介したアルバムの主人公、FASTER PUSSYCAT(ファスター・プッシーキャット)ですが、結成からデビューまでが滅茶苦茶、早い!
結成当時のFASTER PUSSYCATメンバー
Vo:Taime Downe(テイミー・ダウン)
G: Brent Muscat(ブレント・マスカット)
G: Greg Steele(グレッグ・スティール)
Ba:Kelly Nickels(ケリー・ニケルス)
Ds:Mark Michals (マーク・マイケルズ)
ボーカルのTaime Downe(テイミー・ダウン)が新しいバンドを結成しようとしたのが、1986年1月。
メンバー探しの上、バンド布陣が完成したのが、1986年2月。
最初にGIGをやったのが、1986年3月。
レコード契約の話が来たのが1986年11月。
ベーシスト Kelly Nickels(ケリー・ニケルス)が事故により怪我を負ったため、Eric Stacy(エリック・ステーシー)を迎え入れ、デビューに向けて準備する。
デビューアルバムの打ち合わせ開始が1987年1月。
レコーディング開始が1987年2月。
レコーディングの全作業を3週間で完了させ、1987年8月にリリース。
1987年、1stアルバム「FASTER PUSSYCAT(ファスター・プッシーキャット生誕!)」を発表。
あっと言う間にデビューした鳴り物入りのバンドだったが、演奏面は・・まぁ、それなりなので・・それがまたカッコいいと思うところだねぇ~。
FASTER PUSSYCAT(ファスター・プッシーキャット)デビュー時 メンバー
Vo:Taime Downe(テイミー・ダウン)
G: Brent Muscat(ブレント・マスカット)
G: Greg Steele(グレッグ・スティール)
Ba:Eric Stacy(エリック・ステーシー)
Ds:Mark Michals (マーク・マイケルズ)
FASTER PUSSYCAT(ファスター・プッシーキャット)とデビュー時期には、
似たようなルックスのGUNS & ROSES(ガンズ・アンド・ローゼス)と比較されたのを記憶しています。
話題性で言えば、ロサンゼルスのクラブのひとつ「CATHOUSE」の共同経営者だったTaime Downe(テイミー・ダウン)のバンドということも注目された理由のひとつ。
商業的にはGuns N’ Roses(ガンズ・アンド・ローゼス)が勝ったのは言うまでもないかも知れませんが、FASTER PUSSYCAT(ファスター・プッシーキャット)も2ndアルバムからヒット曲を生み出しています。
個人的には・・・どちらも捨てがたいのですが、当時はFASTER PUSSYCAT(ファスター・プッシーキャット)の方が好きでした・・・。
FASTER PUSSYCAT(ファスター・プッシーキャット)の音楽性
80年代のロサンゼルスを本拠地にヘヴィメタル陣とは少し異なった攻撃的なロックンロールを得意としているバンド。
3週間でレコーディング完了。
必要以上に凝ることはせず、その場の雰囲気第一主義とでも言いたげなレコーディング期間。
ツインギターで奏でるロックンロールとヘアメタル的ルックスでオーディエンスを魅了した。
アルバムを発表するたびに新しい事というか、女性コーラスやホーンセクションを取り入れたり、民族音楽を意識したり、ラップにも挑戦していく音楽性も楽しい。
そして、ライブを重ねながら、曲のアレンジも変化させていたことも追記しておこう。
TOMOZY のアルバム『FASTER PUSSYCAT』評価
視聴コーナー :アルバム『FASTER PUSSYCAT』
収録曲へのコメント
01. DON’T CHANGE THAT SONG
イントロからカッコいい!!あとはリズムに合わせて身体を動かせばいいだけですが、ボーカルの声質に特徴があって、好き嫌いが分かれると思われます・・・。妙な例えですが、ヴィンス・ニールがスティーヴン・タイラーの物真似するとこんな感じ?? とでも言っておきます。 しかし、アルバムが進行してけば、慣れてきます! そして中毒に・・・。
02. BATHROOM WALL
ドラムから始まり、ベースがリズムよく入ってきます。そしてギターがのっかり・・・。カッコいいイントロ! 既に慣れているヴォーカルが入っても自然とコレコレ!この感じ! と楽しめる曲です! 好きな曲!
03. NO ROOM FOR EMOTION
ゆったりとした楽曲。ルーズなロックンロールナンバー。ルックス的にも似合ってるじゃないですか!この曲!! ヘヴィメタルに寄っていかないところが好感度大! 実はこの曲のせい? で私が Guns N’ Rosesよりも FASTER PUSSYCATの方が 好きな理由かもしれません!
04. CATHOUSE
ノリノリのロックンロールナンバー。軽めですが、ピアノもいい感じで入ってカッコいい!最初から最後まで、いかしたロックンロール! ギターソロも雰囲気重視! 途中でシャウトしながら歌うTaime Downe(テイミー・ダウン)も雰囲気重視!かっこいい。
05. BABYLON
DJがやるスクラッチを取り入れた楽曲。ギターでも表現していて、楽曲のノリにマッチしていてるのでご安心を!もちろん、ロックンロールしています! この曲はライブを重ねながら、年々、アレンジが変わっていく作品
06. SMASH ALLEY
ロックンロール! HANOI ROCKSみたいなフレーズも飛び出すカッコいい曲。素直にカッコイイ!と思う!。
07. SHOOTING YOU DOWN
ノリノリのギター、この感じ最高です。明るくなり過ぎないバックコーラスも廃退的で面白い。
08. CITY HAS NO HEART
なんか、エアロスミスみたいに聴こえるのは私だけ?そんな感じのロックンロール。
でも演奏しているのがニューヨークドールズ・・・的な感じ!!??あれ??
09. SHIP ROLLS IN
シンプルなロックンロールナンバー! ここでピアノが入って・・・こなかった!けども素敵な曲です。派手さは他の曲と比べるとないけど、イイ曲です。
10. BOTTLE IN FRONT OF ME
ラストはちょっと決めちゃうよ~って感じでスティーヴン・タイラーのように歌ってみようかなっ!って感じのTaime Downe(テイミー・ダウン)が微笑ましく感じる楽曲! (あくまでも個人的な思い)
久しぶりの 「FASTER PUSSYCAT」でしたが、アルバム全体として、カッコいいアルバムだと思いました! 人によってはボーカルの性質が苦手な人もいるだろうけど・・。ちょっとハードでノリの良いロックバンドが好きなら好きになるんじゃないかな?
映像で楽しむ FASTER PUSSYCAT
FASTER PUSSYCAT『FASTER PUSSYCAT』に収録されている楽曲のMVなどをご紹介
Faster Pussycat – Don’t Change That Song
バンド名の由来でもある映画「ファスター・プッシーキャット!キル!キル!」の映像も・・・・
Faster Pussycat – Bathroom Wall
白黒・モノクロの世界観が新鮮(でも画質は・・・雰囲気を楽しんで!)
あとがき
バンド名”FASTER PUSSYCAT”の由来は映画のタイトル!
ラス・メイヤー(ラス・マイヤー)という監督の1965年作品。
映画のタイトルが『Faster, Pussycat! Kill! Kill!』って凄いタイトルです!
大衆文化の中でかなり、言及されたカルト映画であり、ラス・メイヤー(ラス・マイヤー)の作品の中では珍しく、露骨なヌードシーンがないのが特徴的である作品。
ストーリーは
欲望の赴くままに暴走する3名の女性が、砂漠の真ん中でレース・チャンピオンのトミーとその恋人と出会う。
彼女たちはトミーにレースを挑むことになるが・・トミーを殺害してしまう。
その後、トミーの恋人を誘拐し、ドライブは続く・・・・。
途中立ち寄った、ガソリンスタンドで出会った老人と息子が莫大なお金を持っていることを知る。
彼女たちは、お金目当てで、老人と息子の農場に入り込むことに成功するのだが・・・・・。
この映画に興味がある方は是非、ご鑑賞ください!
デビュー後のFASTER PUSSYCAT
結成からデビューまでは滅茶苦茶早かったのですが、2ndアルバム発表までは、少し時間がかかります。
理由はプロデューサー探し、メンバーのドラッグ問題、レコード会社との駆け引きなどがあったらしい。
楽曲的には快楽主義的だったが、バンド存続のために生活態度を見直すこともしていたようなので、意外な一面も持っていた。
ボーカルのTaime Downe(テイミー・ダウン)曰く、バンド結成からこれまでの歩みを幸運と認識し、音楽的に好みに合わなくてもミュージシャンとしてやってきたことを評価してもらえるようになることが自分にとっての幸福だという。
この音楽的な価値観がのちになって・・・ちょっとした悲劇になるのだが・・。
Taime Downe(テイミー・ダウン)は元々シアトルでバンド活動をしていたようだが、FASTER PUSSYCAT以前の活動は謎に包まれているが、その頃の事も影響しているのだろうか?? 意外と真面目というか地に足がついたような思いは意外な一面を見せてくれました・・・。
1989年、2ndアルバム「Wake Me When It’s Over」発表
このアルバム発表後、ドラッグ問題でドラムのMark Michals (マーク・マイケルズ)が脱退する。
第三期 FASTER PUSSYCAT メンバー
Vo:Taime Downe(テイミー・ダウン)
G: Brent Muscat(ブレント・マスカット)
G: Greg Steele(グレッグ・スティール)
Ba:Eric Stacy(エリック・ステーシー)
Ds:Brett Bradshaw (ブレット・ブラッドショウ)
1990年、日本企画盤「LIVE&RARE」発売
この企画盤は初来日に合わせて発売された記憶です。
その後、3rdアルバムに向けて準備をするが・・・もっと成長しなければ!と気負い過ぎと欲張りな感じになってしまったアルバムが完成。
1992年、3rdアルバム「Whipped! 」発表
しかし、このアルバムから即ヒット曲が生まれなかったことを理由にレコード契約が解除された。
もちろん、グランジ・オルタナ勢の隆盛も要因のひとつだったんだろう。
2度目の来日公演を行うも、1993年に解散。
1994年、ベストアルバム「THE BEST OF FASTER PUSSYCAT」発売
2001年、再結成、
ポイズン、シンデレラと共にツアー開催。
2001年、企画版「Between the Valley of the Ultra Pussy」発売
この企画盤は、これまでの楽曲を機械的・電子的な感じも含めたアレンジ・リミックスし直したもので、過去の攻撃的かついい意味で安っぽい感じのロックンロールとは程遠い作品になってしまった。
この作品を巡り、メンバー内でも亀裂が入ることになる。
そして・・・悲劇が訪れる。
分裂!、しかもどちらも FASTER PUSSYCAT を名乗る!!
インダストリアル・ロックを取り入れたい
Taime Downe(テイミー・ダウン)率いる FASTER PUSSYCAT
結成当時のロックンロールスタイルに戻したい
Brent Muscat(ブレント・マスカット)率いる FASTER PUSSYCAT
二つのFASTER PUSSYCATが存在するという時期に突入。
最終的にBrent Muscat(ブレント・マスカット)側がバンド名を変更して終幕。
2003年、ベストアルバム「Greatest Hits Faster Pussycat」発売
その後、音沙汰なかったが・・
Taime Downe(テイミー・ダウン)率いる FASTER PUSSYCAT がアルバムを発表。
2006年、14年ぶりのオリジナル・アルバム「The Power and the Glory Hole」発表。
このアルバムも初期の頃とは違うアプローチ・・・。
そういえば、Taime Downe(テイミー・ダウン)自身、
音楽的に好みに合わなくてもミュージシャンとしてやってきたことを評価してもらえるようになることが自分にとっての幸福だといってたなぁ~。
本当のところはどうなんだろう? 自身の音楽的趣向に変化があっただけなのか?レコードレーベル等からの意見なども取り入れた感じだったんだろうか?
2009年、ライブアルバム「FRONT ROW FOR THE DONKEY SHOW」発売
その後は・・・新しいアルバムは発表されていないが、ライブ活動はつづけているようだ・・・。
一時期、Taime Downe(テイミー・ダウン)は一回りも二回りも大きくなっていました。やはり年齢を重ねると細身を維持することは難しいのかな?
そして、現在…
現在、Taime Downe(テイミー・ダウン)、毒々しさは今も健在です!
しかも、公式サイト内のPHOTOなどを見ると、一時期の太った感じからダイエットしたのか?すこし細身になっていましたよ!!
公式サイトはこちら
TOMOZY(トモジー)のアルバムにまつわる個人的な想い出
”Guns N’ Roses” vs ”FASTER PUSSYCAT”
デビュー時期が近いし、ロサンゼルスを舞台に、長髪ロックンロールバンドが注目されていた80年代後半、巷では、Guns N’ Roses がカッコいい!!と話題。
しかし、負け時劣らず、毒々しい FASTER PUSSYCAT なのだが・・・。
どうしても”Guns N’ Roses”が一気にトップアーティストへ駆け上がったんですよねぇ~。
なぜか、私はFASTER PUSSYCATが好きだった。
もちろん、Guns N’ Roses の「Welcom to the Jungle」とか「ParadiseCity」とか「Sweet Child O’ Mine 」などなど・・好きな曲はあるんですけどね。
FASTER PUSSYCATに関しては、良い意味でのチープな感じが好きだった。
さらに言えば、Guns N’ RosesよりもB級感があったから好きだったんだろう、、、。
もちろん、1stアルバム同士の対決なんだけどね・・・。
FASTER PUSSYCAT 商品関連
今回は・・・FASTER PUSSYCAT『FASTER PUSSYCAT』(1987年)アルバム・レビューでした!
またねーーー。
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